日本時間1日にアメリカのラスベガスで開催されるWBAバンタム級スーパー王者・IBF同級王者、井上尚弥(大橋)の防衛戦が目前に迫った。井上が聖地ラスベガスで試合をするのは今回が初めて。マロニー戦の位置づけ、試合の行方、そしてその先までを一気に占ってみたい。
この試合の最大のポイントは、国内のみならず海外でも“モンスター”として名を馳せるようになった井上が、ボクシング界の心臓部といえるラスベガスで試合をすることだ。
井上のPFPランキング2位は異例中の異例
かつて井上ほど海外で名前を売った日本人ボクサーはいなかった。1924年に世界で初めて全階級を通じたランキングを作成した老舗ボクシング誌「ザ・リング」の最新パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングで井上は2位。まだアメリカで1試合しかしていないアジアの選手が2位にランクされるのは異例中の異例である。あの6階級制覇王者、フィリピンのマニー・パッキャオでさえPFPランキングの上位に顔を出すのはアメリカでインパクトのあるファイトを何度も重ねてからだった。
これは昔と違い、インターネットやSNSを通してアジアの情報が欧米に流れやすくなった結果と言える。それでもなお、本場のリングで試合を見せる効果(今回は無観客試合ではあるがESPNで全米に生中継される)は計り知れない。アメリカの大手プロモーション、トップランクと契約後初の試合で破格となる100万ドル(約1億500万円)のファイトマネーを提示された井上は、その姿をラスベガスで披露することでスーパースターへの道に踏み出すことになるのだ。
「スタートが100万ドル。このまま勝ち上がっていけば今までの日本人選手では考えられないような夢のファイトマネーになる。夢のまた夢の始まりだと思う」(大橋秀行会長)
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