忙しい1日が幕を開ける。川崎フロンターレは21日、最速Vをかけて敵地で大分トリニータと対戦する。勝利すれば他会場の結果にかかわらず、史上最速となる5試合を残しての2年ぶり3度目の優勝が決まる。だが、リーグ制覇の余韻に浸る暇はない。試合終了からスタジアム出発までに許された時間は1時間半。スピード優勝の後は、スピード撤収が求められる。
Vを決めても、感慨に浸る時間はなさそうだ。25日にホームでの2位ガンバ大阪戦を控えるチームは、大分に後泊をせず即日川崎に戻る予定。午後2時キックオフの試合終了後、会場を出発するデッドラインは午後5時半。優勝となれば、5試合を残しての史上最速となるが、試合後もスピード撤収が求められる。
歓喜の優勝後はシャーレやトロフィーの授与を行う表彰式がある。アウェーに駆けつけたサポーターへのあいさつ。その後はシャワーを浴びて順番に取材対応…。すべてを1時間半以内に終える必要がある。しかも会場の昭和電ドは、18年に日本代表が国際親善試合を行った際、選手バスが渋滞に巻き込まれて約50分遅刻をしたスタジアム。交通状況を予測して、出発を遅らせるわけにはいかない。
アウェーでの優勝は試合後は分刻みのスケジュールになる。仮に負けても、試合のない22日の2位G大阪の試合結果で優勝確定の可能性もある。だが、主将のDF谷口は「優勝を待つのではなく、自分たちからつかみ取りにいく。突き抜けて優勝したい」と意気込む。首位を独走してきた今季、勝って優勝との気持ちは強い。
前々節はMF長谷川が、前節にはFW小林が復帰。2戦連続で足踏みしたが、前節18日の横浜F・マリノス戦は最後に突き放して3-1の快勝で王手とチーム状態は上がっている。鬼木監督も「次でいいとか、そういうことは一切考えない」と話す。スムーズに優勝を決め、スマートに川崎へ凱旋(がいせん)する。【杉山理紗】
<川崎Fの記録的優勝アラカルト>
◆最速優勝 川崎Fが史上最速となる5試合を残しての優勝なら、10年の名古屋グランパスが記録した残り3試合を更新する最速優勝。川崎FはJ2時代の04年にも圧倒的な攻撃力でJ2最速となる7試合を残して優勝を決めたことがある。
◆最多勝ち点 24勝3分け2敗で勝ち点75。18チームによる年間34試合制となった05年以降では15年のサンフレッチェ広島、16年浦和レッズの74を更新する最多勝ち点。
◆監督で3度目Vは3人目 鬼木監督は17、18年に次いで2年ぶり3度目のJ1制覇。監督で3度のJ1優勝は07年から3連覇した鹿島アントラーズのオリベイラ監督、広島で12、13、15年と3度優勝した森保一監督に次いで史上3人目。
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