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NFLがスポーツ医学における多様性を促進するプログラムを開始 - NFL日本公式サイト

NFLは現地24日(火)、NFL医師会(NFLPS)およびプロフットボールアスレチックトレーナー協会(PFATS)と共同で、NFLスポーツ医学多様性パイプラインプログラムを立ち上げることを発表した。このプログラムは、歴史的黒人大学(HBCU)医学部4校の医学生にNFLクラブの医療スタッフとの臨床研修ローテーションを経験する機会を提供するもので、スポーツ医学の分野でキャリアを積むことに興味を持つ学生との接点を増やし多様化することで、スポーツ医学の分野に良い影響を与え、将来的にNFLクラブの医療スタッフの多様化に貢献することを目的としている。

チャールズ・R・ドリュー医科学大学、ハワード大学医学部、モアハウス医科大学、メハリー医科大学のスポーツ医学プライマリ・ケアおよび整形外科に関心のある医学生が、それぞれの学校から選抜され、2022年のNFLシーズン中にNFLクラブで1カ月間の臨床研修を受ける。プログラムの初年度となる今シーズンは、アトランタ・ファルコンズ、シンシナティ・ベンガルズ、ロサンゼルス・チャージャーズ、ロサンゼルス・ラムズ、ニューヨーク・ジャイアンツ、サンフランシスコ49ers、テネシー・タイタンズ、ワシントン・コマンダースが最初の8チームとしてプログラムに参加し、8チームに2名ずつ、合計16名の学生が参加する。2023年には、さらに多くの学術機関や医療分野から学生を募り、より多くのNFLクラブの医療スタッフに配属する予定だ。

医学部学生の多様性に関する調査によると、米国の医学部学生における黒人学生の割合はわずか7.3%で、この数字は過去40年間で1%未満しか上昇しておらず、米国の黒人人口の13.4%よりはるかに低いことが分かっている。

NFLPSによると、会員の86%が白人で、8%がアジア系、5%が黒人、1%がヒスパニック系であるという。PFATSでは、会員の65%が白人、23%が黒人、8%がヒスパニック系、4%がアジア系と回答している。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは「リーグとクラブにおけるあらゆる役割において、多様性を高めることが不可欠だ。多様性はわれわれをより強くしてくれる。多様なスポーツ医学の専門家を増やすことは、リーグとして重要なことであり、われわれはそのための接点を広げる機会を持っている。この取り組みは社会的な利益のためにわれわれのプラットフォームをどのように活用できるかを示す一例となる。われわれのリーグが、次世代のスポーツ医学の専門家の育成に貢献できることを誇りに思う」とコメントした。

このプログラムを通じて、NFL、NFLPS、PFATSは、NFLクラブの医療スタッフの多様化だけでなく、全米のアスリートの健康の公平性を高めるための取り組みを行っている。医療チームにおける多様性と代表性の重要さは確立されており、多様な医療スタッフによって患者の状態を改善することができる。

NFLPS会長で49ersのヘッドチームドクターであるティモシー・マクアダムスは「NFLPSの会員が、われわれが日々治療している選手たちをより正確に反映するよう、われわれは大きな仕事をしなければならない。それは、スポーツ医学でのキャリアを学生に意識させるために、多様な背景を持つ医学生との接点を拡大することから始まる」と話した。

2023年のこの構想の拡大は、プライマリ・ケアのスポーツ医学と整形外科以外の分野にも広がる予定だ。その中には、医師助手、公認アスレチックトレーナー、理学療法士、作業療法士、栄養士、行動医学の臨床医などが含まれる可能性がある。また、このプログラムの初年度は黒人の医学生にスポーツ医学のキャリアを紹介することに重点を置いているが、NFL、NFLPS、PFATSは、今後、他の有色人種や女性にもスポーツ医学のパイプラインを広げることを目指して活動していく予定だ。

PFATS会長でラムズのスポーツ医学・パフォーマンス担当副社長のレジー・スコットは、「この秋、優れたHBCUの医学生を医療スタッフとして迎えることを大変楽しみにしている。NFLのサイドラインでプレーヤーを治療する有色人種の学生が増えることで、全米の有色人種の学生がスポーツ医学のキャリアを歩むきっかけとなる可能性がある」と述べている。

プログラム期間中、学生はNFLのクラブでスポーツ医学患者のケアに参加し、観察する。学生はチームの整形外科医、プライマリ・ケアドクター、アスレチックトレーナーとともに、またそれらのスタッフの監督のもと、基本的な医学知識とスポーツ医学における患者ケアについて学ぶ。さらに、選手の競技復帰ガイドラインやフィールド上での治療の注意点にも精通することになる。また、ホームゲームに参加し、サイドラインでケアを観察する機会もあるため、プログラム終了時には、参加学生は整形外科、プライマリ・ケア、アスレチックトレーニングの観点から、選手に提供されるケアのあらゆる面の基本要素を理解することが可能だ。

各大学の代表医師によるコメントは以下の通りだ。

ロサンゼルスのチャールズ・R・ドリュー医科学大学家庭医学科長で、同大学のスポーツ医療プログラムも指導するリサ・バークリー氏
「HBCU医学部、NFL、NFLPS、PFATSによるこのユニークなコラボレーションは、学生にとって、世界トップレベルのスポーツチームやスポーツ医療の専門家と実際の環境でスポーツ医療のスキルを体験、学習、習熟する一生に一度のチャンスとなるかもしれません。歴史的に重要視されていなかったコミュニティから医療専門家を育成することは、スポーツ医学の分野における多様性の問題を解決するための重要かつ貴重で、注目に値する積極的な一歩です」

ハワード大学医学部学部長兼健康問題担当上級副学長ヒュー・マイティ氏
「HBCUは、国家の健康ニーズに応え、黒人医師の重要な供給源を確保してきた長い歴史を持っています。NFLがこの使命を推進し、学生たちに新たな機会を提供することを歓迎します」

モアハウス医科大学学長兼CEOヴァレリー・モンゴメリー・ライス氏
「モアハウス医科大学は、健康の公平性の創出と推進を主導しており、われわれの使命には医療専門家や科学者の労働力の多様性を高めることが含まれています。NFLとのパートナーシップが、モアハウス医科大学の学生がスポーツ医学の実践的なトレーニングを受けるための新たな扉を開くだけでなく、他大学の学生がスポーツ界の医療専門家としてのキャリアを目指すきっかけとなることを期待しています」

メハリー医科大学学長兼CEOジェームズ・E・K・ヒルドレス氏
「NFLがリーグの多様化のために重要なステップを踏み出し、特に多くのマイノリティ学生がスポーツ医療のキャリアパスで直面する、機会不足という障壁を認識していることに感謝しています。このパートナーシップにより、学生たちは医療のユニークな分野に触れる機会が得られ、キャリアアップにつながる有意義な経験を新たにすることができるでしょう」

これらの取り組みは、リーグ事務局やNFLクラブのスタッフおよびリーダーが、アメリカの人種や性別を反映したものとなるようにするための、リーグの幅広い取り組みの一部だ。NFLクラブの医療スタッフにおいては、あらゆる職務において多様なスタッフを募集・採用し、NFLの医療委員会全体の多様性を高めるという既存の取り組みをさらに強化するための今回のプログラムとなる。

【AK】

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