
(2)セグメント別のスポーツNFT普及に向けた施策
前述の内容を踏まえると、スポーツNFTをより普及させるために必要と想定される施策は、セグメントによって異なることが分かります。
①「戦略的にお金を増やしたい」投機に興味がある人
投機に興味がある人が抱える課題として、NFTの購入場所や手順が分からないことが挙げられていたことから、このセグメントにとってNFTに関する主な情報源であるスポーツ団体・組織のウェブサイト等において、NFTの購入場所や手順について発信することが、さらにスポーツNFTを購入するきっかけにつながると考えられます。
②「流行や新テクノロジー大好き」新技術に興味がある人
新技術に興味がある人は、正規ルートだけではなく二次流通・転売等を含めて購入したいと考える人が多いという特徴があることから、法律・税制面のグレーゾーンを解消し、スポーツNFTの二次流通や転売等のプラットフォームを整備していくことが重要と考えられます。
③「集めて楽しみたい」NFTの収集に興味がある人
NFTの収集に興味がある人は、特定のNFTを購入したい割合が高く、他のセグメントに比べてランダムパックで購入したい割合が低いという特徴があります。自分が好きなスポーツ団体・組織や選手のNFTを収集したいと考えることから、このセグメントに対しては、特定のNFTを販売していくことが、NFTをさらに購入するきっかけになると考えられます。
④「娯楽大好き」スポーツ・アート・ゲームに興味がある人
スポーツ・アート・ゲームに興味がある人は、スポーツNFTの年間購入金額が他のセグメントに比べて低いという特徴があります。前述したとおり、1回でも購入した経験があれば、今後の購入意向が高くなることから、このセグメントには、初回の購入を促すような施策が重要です。例えば、投機に興味がある人と同じようにNFTの購入場所や手順について発信したり、金額が低いNFTパックを販売したりすることが考えられます。
また、このセグメントでは、購入したいスポーツNFTとして、試合中のハイライト映像の他、SNSでの二次利用・チケット機能等の付帯機能を持つものを回答する割合が高かったことから、スポーツNFTに付帯機能を持たせていくことも有効と考えられます。
おわりに
スポーツNFTに関する法律・税制面の懸念点が解消され、誰もが安心して参加できる環境が整えば、スポーツNFTに関する市場のさらなる拡大が見込まれます。また、NFT購入者のタイプに応じた施策を進めることで、異なるタイプの購入層にスポーツNFT市場を広げていくことも可能です。
ただし、米国では、2022年6月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を0.75%引上げ、1.5~1.75%のレンジとすることを決定し、今後も利上げを継続することが必要との方針を明らかにしました。昨今の米国での金融引き締めを受けて、デジタル資産の市場が急速に縮小しているため、今後の米国におけるNFT市場の動向にも注視が必要です。
日本においても、米国の影響を受けることは考えられますが、スポーツNFTは、新しいファンの獲得や、スポーツ団体・組織が保有するアセットの有効活用にもつながるため、今後、スポーツ産業そのものの活性化になくてはならないものとなるでしょう。
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