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eスポーツで九州を沸かせたい 有名チームの創設者の本業は? - nhk.or.jp

"Game" (獲物)を追い求めて新たな道を切り開いた先駆者が語る

  • 2022年07月20日

いまや国内外で賞金が億を超える大会がいくつもあり、プロ野球のようなプロチームが続々と誕生している“eスポーツ”の世界。そのチームの一つで福岡に拠点を置く、“Sengoku Gaming”の創設者が、霧島市の岩元良祐さんです。実は二足のわらじで活躍している岩元さんに、これまでの苦労や今後の展望を聞きました。

鹿児島局記者・神慶佑

"Sengoku Gaming"の本拠地へ!

日本代表として世界大会にも出場した“eスポーツ”のプロチーム、「Sengoku Gaming」は、福岡市の中心部にあるIT企業の本社のような空間に本拠地を構えています。

このチームの創設者が、霧島市の岩元良祐さんです。

「Sengoku Gaming」は、さまざまな大会で優勝。年俸数千万円の選手たちを多くかかえる、国内有数のプロチームとして知られています。

所属する選手に岩元さんの印象を聞いてみると…

Sengoku Gaming WAN選手
「神ですね。今まで自分が経験したことのなかった親切さとかすごいなと思って。自分は結構びっくりしていますね」

Sengoku Gaming 創設者 岩元良祐さん
「僕ができなかった夢を彼らに託しているので、大人たちが代わりに支援して彼らが夢をかなえてくれたらいいなと思っています」

漁協の組合長とまさかの二刀流

選手から“神”と慕われる岩元さんにはもう一つの顔が…。それは錦江漁業協同組合の組合長です。
もともとは、祖父の会社を継いでカタクチイワシの漁師をしていた岩元さん。

28歳という若さで、組合長を任されました。地元の海の将来を見据え組合長の仕事にも全力で取り組んでいます。

錦江漁協 岩元良祐組合長

「絶対1次産業って国にとって一番大事で、これにも取り組めるっていうのは、本当にありがたいので、全力で取り組みたい。
実際、海の方ももっとよりよい事業というのがある。漁船の漁業だけじゃなくて観光事業とかも取り入れるきっかけになる人物になれたらいい」

オンラインゲームにはまった大学時代

英語のGameには、漁や猟の「獲物」という意味もあります。そんな”Game”を誰よりも愛する岩元さんが、初めて買ってもらったゲームソフトは「星のカービィ」。

何度も繰り返してステージをクリアするおもしろさにどんどんはまっていきました。その“ゲーム熱”に拍車をかけたのがインターネットを通じて全く知らない人と協力したり、戦ったりする「オンラインゲーム」の登場でした。

岩元良祐さん

「一番最初にオンラインでゲームをしたのが『メタルギアオンライン』ってゲームなんですけど、全国のいろんな人とリアルタイムで一緒にゲームできるんだっていうのが、当時18歳だったんですけど、自分のなかですごい衝撃でした」

大学時代にはゲームの大会にも出場しましたが、当時はまだeスポーツの知名度が低く、職業につなげることは考えにくかったといいます。

岩元良祐さん

「いまでこそいろんな企業がスポンサーとして大会とかも成立するようになりましたけど、昔は本当にトップの人たちしか大会とかもなかったですし、イメージがわかなかったですね。これで生きていけるっていうイメージが当時はなかった

再び火がついた情熱・・”Sengoku”誕生までの苦難

卒業後は実家に戻って漁にあけくれた岩元さん。しかし、5年以上がたったある日、ふたたび友人からゲームに誘われると…

岩元良祐さん

「またはまっちゃった(笑)。Jリーグやプロ野球ぐらいeスポーツも熱量あるよっていうのはずっと感じていました

国内でもプロチームが登場し、世界的なeスポーツブームの到来を受けて、岩元さんは、経営する水産会社の一部門として、ついにプロチームを結成。後に世界で活躍する「Sengoku Gaming」の誕生です。

なんとかスポンサーを集めようと、岩元さんは漁の合間を縫っては福岡で企業まわり。片道250キロの道のりをときには4日連続で通って直談判しました。

そして2年前、地道な努力が実を結び、九州電力のグループ会社と資本提携をすることに。有名選手を一本釣りで引き抜くなど、チームの基盤を安定させることに成功しました。

岩元良祐さん

楽しかったから、人が見たら何やってるんだって感じにも耐えられたのかな。
ずっと魚しか追いかけてこなかったので、スーツを着て自分で立ち上げた初めての事業が“Sengoku Gaming”だったので、それが実を結んだというのは、達成感がすごかったです」

次の目標は九州から世界へ

チームが軌道に乗り始めた今、岩元さんの次の目標は“世界”。そのためには地元九州でeスポーツという文化を根づかせることが不可欠だと考えています。

その拠点となるのが、最新の機器や観戦スペースが整った九州最大規模の“eスポーツ専用施設”です。岩元さんはここから世界を目ざす若者を育てたいと考えています。

岩元良祐さん

「こういう施設に実際にきて体験していただいて、今後どんどんeスポーツに参入する企業とか、プロになりたいっていう子どもたちの目標となる施設になったらいいなと思っています。
ぜひ鹿児島から世界から活躍するプロ選手がでてくれれば私もうれしいので、そういった選手が出るように、これからもがんばっていきたい」

取材を終えて

 鹿児島局では「ゲームと乗り物が大好き」と知られる私。今回、岩元さんを取材できるという機会に飛びつきました。お話をうかがってひしひしと感じたのは、eスポーツの規模の大きさや熱量です。
 最初に書いたとおり、eスポーツの大会はさまざまなゲームタイトルで数多く開かれ、優勝賞金が億単位となるものもあります。ひとたび大会の生配信をすれば、あっという間に数千人の視聴者がアクセスしますし、スポンサーとして参入する企業も増えています。
 岩元さんは「夢はプロ野球やJリーグと同じように、eスポーツのプロチームが地域に根ざすこと」と何度も話していました。eスポーツの認知度を上げるために、今後、鹿児島でも選手たちとの交流イベントなどを積極的に仕掛けていくということです。いつか本当に全国各地にプロチームが誕生する日がやってくるかもしれません。これからも、取材を続けていきたいと思います。

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