2600mmのホイールベースを持つアクアの伸びやかなライン
ベースとなったアクアは、ハイブリッド専用車種として日本市場にラインアップされるコンパクトカーで、初代はその優れた燃費からベストセラーカーとなった。2台目アクアは2021年7月19日に約10年ぶりのモデルチェンジでデビュー。初代アクア時代には存在しなかったヤリスというグローバルコンパクトカーの後にデビューする車種として明確な個性を持った車種となっていた。
2台目アクアはTNGAのGA-Bプラットフォームを採用し、搭載エンジンは直列3気筒 DOHC 1.5リッターのM15A-FXE型ダイナミックフォースエンジン(最高出力67kW[91PS]/5500rpm、最大トルク120Nm[12.2kgfm]/3800-4800rpm)。このエンジンにリダクション機構付きのTHS IIハイブリッドシステムを組み合わせる。前輪駆動モーターは1NM型(最高出力59kW[80PS]、最大トルク141Nm[14.4kgfm])で、同じGA-Bプラットフォームを採用するヤリスと同様のパワートレーンを持つものの、駆動バッテリには世界初のバイポーラ型ニッケル水素を採用。バイポーラ型のため、大電力の出し入れに向いておりハイブリッド車である2台目アクアから採用になった。
また、ホイールベースも先代や現行ヤリスに比べて50mm延長した2600mmを採用。ヤリスが子供が小さいファミリーやカップル向けのコンパクトカーなのに対して、長くなったホイールベースをリアシートの居住空間や荷室空間拡大に用い、明確なファミリーカー志向となり外観も優しい感じのデザインとなっている。
今回新たに発売された2台目アクア GRスポーツでは、メーカー自身が手がける市販車チューニングモデルということで、外観から変更。専用の「ファンクショナルマトリックスグリル」を備えた専用フロントバンパーを装備し、空気抵抗を低減。ひと目見るだけで「かっこいい」と思えるクルマに仕上がっている。
このフロントからの流れを、専用ロッカーモールディング、専用リアバンパーロアカバーでまとめあげ、2600mmのホイールベースを持つアクアの伸びやかなラインをエアロ志向に印象づけることに成功している。
足下は専用17インチアルミホイール(切削光輝+ブラック塗装/センターオーナメント付き)とフロントブレーキキャリパーをレッド塗装でスポーティに。キャリパーはベース車と同じものだが、赤塗装+GRロゴを加えることでスポーツイメージを持たせている。
メーカーチューニングならではとして、製造工程に踏み込んだ性能向上が行なわれていること。トンネルブレースNo.1&No.2とロアバックにリアバンパーリインフォースを設定することで、操縦安定性の向上を図り、専用チューニングサスペンションを装備。さらに、電動パワーステアリングのプログラムもよりスポーティなものが追加されている。
走りを支えるタイヤは、ブリヂストンのポテンザ RE050A(205/45 R17)。グリップ志向でありながらウェットグリップ性能の高いタイヤで、上質なスポーツ感のあるタイヤとして人気も高い。このRE050Aを前提としてサスペンションなど走りの性能が作り込まれており、ヤリスより長いホイールベースを活かした走りの仕上がりが楽しみなクルマだ。
価格も2代目アクア Z(2WD)の240万円から、19万5000円高の259万5000円。製造段階から手を入れていることで、約20万円高で収まっている。スポーツ性の高いアクアを求めている人には、最適なモデルの登場になる。
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