2023年05月05日16時12分
2020年2月25日。シーズン開幕直後に、Jリーグの村井満チェアマン(当時)が、未知なる感染症を前にして異例の決断を下す。国内主要プロスポーツで真っ先に、公式戦延期を決めた。
新型コロナウイルスに関する情報は、まだ乏しい時期。村井氏は「迷いますよ。できると思う人もいっぱいいた」と振り返る。翌26日に、政府が大規模イベントの自粛を発表。スポーツ界を先導する英断だった。
Jリーグの動きは早かった。プロ野球と連携し、合同の対策連絡会議を設置。公式戦の再開へ備えた。専門家の助言を基に無観客試合から観客を入れての開催へと段階的に緩和を進め、産業技術総合研究所などと協力して科学的知見も収集。対応策は、21年夏に延期された東京五輪にも生かされた。
長期間の観客動員の制限と、声出し応援の禁止によって、クラブ経営は多大な影響を受けた。サッカーでは、サポーターの声援がつくり出すスタジアムでの一体感は大きな魅力の一つ。昨年6月に声出しが制限付きで解禁されても、客足の戻りは鈍かった。
各クラブは、地域密着の理念の下、一緒に我慢を続けたファンの声に耳を傾け、努力を重ねた。C大阪は新型コロナの影響で遠のいた「離脱層」のファンが戻りにくいと分析。若年層を中心に新規開拓を図り、集客回復につなげた。チケットの売上高は、コロナ前と同じ水準に持ち直してきた。
3日に愛知・豊田スタジアムで行われた名古屋―神戸では、入場者が今季初めて4万人を超えた。4月末時点での観客動員は、過去最多1100万人を記録した19年比の84%まで回復し、野々村芳和チェアマンは「スタジアムが元の熱量に戻りつつある」と喜ぶ。本来の活気を取り戻し、上昇機運に乗って15日には開幕30周年を迎える。
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