不要になった学生服を引き取り、仕立て直して安価で販売する「制服リユースリクル」（小金町）と加賀友禅作家見習いの女性が、制服の生地と加賀友禅の柄を組み合わせたバッグ作りに乗り出した。「思い入れがあるのに着ていない」制服と着物の新たな使い道を提案する。地元の企業やデザイナーとも連携して商品化し、着物になじみのない若い世代や国内外の観光客へ、加賀友禅の魅力も発信する契機とする。
リクルの池下奈美代表（４１）によると、制服を引き取っても、傷みが激しい場合や、デザイン変更があった場合に再利用できないケースがあり、「思い出の制服を託されたのに、捨てるのは忍びない」とバッグに仕立て直していた。
耐久性に優れた制服の生地に、加賀友禅の意匠を取り入れたいと、知り合いの加賀友禅工房「金丸（かなまる）染工」（材木町）で修業する金丸絵美さん（３５）に協力を呼び掛けた。
葉が連結した模様で、リクルの理念「（制服で）人とのご縁をつなげたい」を表現するなど、金丸さんが加賀友禅の技法を使ってオリジナルの柄４種をデザインした。バッグに適した生地にプリントし、制服の生地とリバーシブルのトートバッグや、パソコンケースなどを仕上げる。
今後、連携する作家を増やすほか、デザイナー横山真紀さんの助言を受け、より意匠性を高める。生地のプリントや製造を県内企業に依頼し、加賀友禅の繊細な雰囲気を再現できるよう改良を加える計画だ。
自身の制服を持ち込んだり、思い出の着物の柄を別の生地にスキャンしたりして、バッグに仕立てることも可能で、池下さんは「バッグに形を変えて、思い出を重ねてほしい」と笑顔を見せ、金丸さんは「たくさんの人に気軽に使ってもらえるような品を一緒に作りたい」と語った。
北國新聞社
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August 23, 2020 at 11:05PM
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