“千賀くん”で目を慣らし、8年ぶりの日本一に視界良好だ。日本シリーズの相手が2年連続でソフトバンクに決定した巨人は16日、東京ドームで全体練習を再開した。通常2カ所で行う打撃練習を3カ所に増やし、1カ所は打撃マシンのスピードを160キロに設定。千賀、石川、モイネロ、森ら速球派がそろう投手陣対策に乗り出した。昨季の4連敗から雪辱を期すキーワードは「準備」。王者奪回へ最善を期していく。
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坂本、丸、岡本…。主力選手が次々と空振りを繰り返す。通常2カ所の打撃ケージの中央に設置された打撃マシン前に立った選手たちは、あえてバットに当てずにスピードを体感した。シーズン中には見られなかった練習。球速160キロに設定した“千賀くん”で目慣らしすると、再び打撃投手のボールを打ち込んだ。
最速161キロの千賀はクライマックス・シリーズ初戦で159キロをマーク。セットアッパーのモイネロは155キロを出した。テレビ観戦した原監督は「だいぶメンバーも変わっているよね。ピッチャーはあまり変わってないかな」と警戒。パワーピッチャーが多いストロングポイントは熟知し「パシフィック・リーグ全体に言えること」と早速対策に乗り出した。
昨年4連敗した宿敵。全体練習開始前には全選手の前で約10分間訓示した。5年ぶりにリーグ優勝した昨季は、準備不足を痛感している。「昨年はセントラル・リーグを勝つというところで、日本シリーズの準備、教育ができていなかったというのも反省。もう1つヤマがある。勢いでは行けなかった。現実的に。準備という点では、昨年に比べて選手個々、チームはできていると思います」。
ミーティング時間が足らなかった昨年の反省を生かし、今年は18日の大阪入り後にすぐに分析を徹底する予定。スピード対策に“千賀くん”を導入したのも準備。原監督は「先手必勝というのは当然大事なことだしね。いろいろなものが凝縮されているのが日本選手権。まだ準備、仕込みの段階。しかし仕込みが最も重要ですから」と闘志をみなぎらせた。【前田祐輔】
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