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スポーツ選手のイメージって? 第二の人生を阻む「二つの先入観」 - 朝日新聞デジタル

 引退したアスリートは、「第二の人生」で指導者や解説者など、競技の延長線上の職を選ぶ傾向にある。なぜ、他の職種に選択肢が広がらないのか。プロ野球選手から公認会計士になった奥村武博さん(42)は、「二つの先入観」を理由に挙げる。室田賢

タニマチと豪遊、1年目で定期預金を解約…

 プロ野球は、ドラフト1位であれば、年俸1千万円、契約金1億円という大金を手にする世界だ。プロ野球担当記者として、希望に満ち、入団契約に笑顔で臨む何人もの高校生や大学生たちに接してきた。

 ただ、この中で数年後、プロとして活躍し続けている選手はどれほどいるのだろう、と考える時がある。多くの選手が、20代で姿を消していく。彼らにとっては、引退後の人生の方が長い。

 おくむら・たけひろ 1979年、岐阜県生まれ。98年、県立土岐商高から、プロ野球・阪神に入団。右ひじの故障もあり、投手として1軍登板がないまま、2001年オフに戦力外通告を受けた。04年ごろから公認会計士を目指して勉強を始め、13年に合格した。一般社団法人アスリートデュアルキャリア推進機構代表理事。アスリートに職業紹介などをする「スポカチ」代表取締役。

 ドラフト6位で阪神に入団した奥村さんは、入団当時の契約金が4千万円、年俸は480万円だった。高校を卒業し、他の業界に入った新社会人と比べたら、高給取りだ。「右肩上がりで稼いでいく。バラ色の人生を描いていた」と笑う。

 だが、次第に金銭感覚がおかしくなっていった。19歳だった1年目のオフには、年俸の一部を積み立てていた150万円ほどの定期預金を解約し、同級生に食事代をおごり、使い切った。プロ2年目以降は、多いときで、1日20万円使った。

 スポーツ界には「タニマチ」と呼ばれ、金銭的支援をしてくれる一般企業の社長が少なくない。奥村さんもタニマチに誘われた日は、「お金をじゃんじゃん使ってもらった」。プロ4年目、22歳で戦力外通告を受けた時の貯金は、ほぼゼロだった。

 一時期は国民健康保険料すら払えなくなった引退後の奥村さんを救ったのは、一冊の資格ガイド本。商業高校時代に簿記2級の資格を取り、経済の仕組みにも興味を覚えたことを思い出し、公認会計士になることを決意した。10回目の試験で合格した。

 ただ、奥村さんのようなキャリア形成は、アスリートの世界では珍しい。競技の経験をいかして、指導者や解説者といった職業を目指しても、収入を安定させるのは難しいのが実情だ。それでもこれらの職を目指す人が多いのは、裏を返せば、「セカンドキャリア」の選択肢が少ないということでもある。

「スポーツ選手に対するイメージ」と聞かれたら?

 アスリートはどうしたら、様々な職種から選べるようになるのだろうか。奥村さんは「二つの先入観」を取り払うことを提案する。

 一つ目は、アスリート自身の…

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