<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
プロ野球担当になって以来、初めてスタジアムでプロサッカーを生観戦した。
約10年ぶりだろうか。20日に川崎F対パリサンジェルマンの一戦に誘われた。兄から「チケットが1枚あるから一緒にどう?」と言われ、ちょうど休暇だったので同行した。新しくなった国立競技場にもやや興奮。前日までの2日間はお隣の神宮球場でヤクルト対巨人の取材をしていたので、3日続けての神宮外苑エリアだった。
09年から3年間はJリーグ清水担当だった。毎日、練習を取材して、週末は試合取材。見慣れた風景だったはずが、今では新鮮に映った。正直、顔と名前が一致するのは、メッシ、ネイマールぐらいか。スポーツ記者として恥ずかしい限りで、大学までサッカーに打ち込んだ“元サッカー少年”としても、自分自身にがっかりする。
スター軍団たちが想定をはるかに上回るプレーを繰り広げる。特に、相手ゴールへと向かうアイデアに高揚感を駆り立てられた。セオリーなき新発想をグラウンドでリズミカルに具現化されていった。この試合は、どちらのチームを応援するではない。世界レベルの存在感、躍動感…。形容できる単語が見つからない。
胸の高ぶり。サポーターを、観客を、魅了する。プロスポーツの本質はサッカーも野球も変わらない。スポーツ観戦の醍醐味(だいごみ)を再認識させてもらった1日だった。【巨人担当=為田聡史】
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