
テニス肘や疲労骨折、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)などのけがを対象にした「体外衝撃波治療」が、スポーツ選手の間で広まっている。痛みを取り除いてけがの回復を早める効果があり、早期の競技復帰に道を開く。兵庫県内の医療機関でも治療器の導入が進み、バスケットボールやサッカー、ゴルフなど幅広い競技の選手をサポートしている。(小尾絵生)
1980年代から尿路結石などを砕くために使われている衝撃波を活用。整形外科領域では2012年に難治性の足底腱膜炎で保険適用となった比較的新しい治療法だ。元体操選手の内村航平さんが現役時代に靱帯(じんたい)を損傷した際、この治療を受けて注目を集めた。
衝撃波は音速を超えて伝わる圧力波。超音波エコー検査で炎症部の深さなど位置を特定してから、専用の機器で患部の皮膚の上から10分程度、照射する。痛みを伝える末梢(まつしょう)神経を破壊するとともに、周辺の血流が良くなることで組織の修復を早める作用があるとされる。
有効性は高く、同治療を受けた患者の8割程度が症状の改善を実感するという。照射時に一定程度の痛みがある以外は副作用はほぼなく、通院で治療ができるのもメリットだ。
国際衝撃波治療学会で有効性が認められている疾患は、足底腱膜炎のほかに、アキレス腱炎▽膝蓋(しつがい)腱炎(ジャンパー膝)▽上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)炎(テニス肘)▽疲労骨折▽偽(ぎ)関節-などスポーツ選手に多いけがが目立つ。国内で保険適用なのは足底腱膜炎のみで、同疾患以外は全額自己負担となる。
県内で先駆けて15年に治療器を導入した中山クリニック(明石市)でもスポーツ選手の患者が多い。疲労骨折で膝を治療中の社会人チームに所属するサッカー選手は、2回の通院治療で痛みが消えたという。通常は完治までに約3カ月を要するところを、半分程度に期間短縮できる見込みだ。
県内でも治療器を導入する医療機関が増えている。同クリニックでは患者の増加に対応するため、最新器を導入。現在は週約20件に対応する。運動系の部活動でけがをした高校生や市民ランナーの受診も多い。
中山潤一院長は「スポーツ選手にとっては早期復帰できるかは大きな問題。治療の選択肢として知ってもらえれば」と話している。
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