オーバータイムは2016年にダン・ポーターとザック・ウィーナーがソーシャルメディアプラットフォームとして創業。その後、高校のトップ選手らの動画投稿によって人気を集めるようになり、これまでに大手ベンチャーキャピタル(VC)のアンドリーセン・ホロウィッツのほか、米プロバスケットボール協会(NBA)のスター選手であるケビン・デュラント、トレイ・ヤング、カーメロ・アンソニーらの出資も得ている。
2021年には、ベゾスの投資会社であるベゾス・エクスペディションズやプライベートエクイティ(PE)大手のブラックストーン、ラッパーのドレイクなどから8000万ドル(約106億円)を調達し、高校バスケットリーグ「オーバータイム・エリート(OTE)」を創設した。OTEは所属する各選手に10万ドル(約1300万円)以上の年俸を保証し、大学に進学する選手には学費としてさらに最高10万ドルの提供も約束している。
オーバータイムはこのほか、米プロフットボールリーグ(NFL)の人気選手キャム・ニュートンとともに、7人制フットボールリーグ「OT7」も今年3月に立ち上げている。
最新の資金調達ラウンドにはウィンスロー・キャピタルが新たに出資したほか、モルガン・スタンレーの投資ファンド「カウンターポイント・グローバル」やVC企業のサファイア・スポーツが追加で出資した。各社の出資額は公表されていない。オーバータイムによると、累計の資金調達額は2億5000万ドル(330億円)に増えた。
最高経営責任者を務めるポーターはフォーブスの取材に、オーバータイムはファン層であるZ世代において「認知度の高い強力なブランド」を築いており、この点が従来のスポーリーグリーグと違うところだと強調した。今回の資金調達で企業価値が5億ドル(約670億円)超に倍増したことも明らかにし、「競争の激しい市場で適正な評価を得ている」との考えも示した。
オーバータイムによると、運営するチャンネルの総フォロワーはおよそ6500万人にのぼり、5000万ドル(約67億円)強の売り上げがあるという。フェイスブックやインスタグラムの親会社であるメタなどと契約を結んでいるほか、商品やチケットの販売、ライセンス権などからも収入を得ている。
新たに得た資金はOTEやOT7の運営のほか、電子商取引(EC)の拡大にあてる計画だ。
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