論説委員・西山良太郎=スポーツ社説担当
この1カ月ほど、海外からの報道に苦悶(くもん)している。国際舞台から締め出されたロシアとベラルーシの選手について、国際オリンピック委員会(IOC)が復帰の検討を始めたからだ。
来年にパリ五輪を控えるとはいえ、ロシアの暴挙を止めるのに国際社会が苦慮する中で、「いま、なぜ」というのがおおかたの受け止めだろう。欧米や日本からはIOCに再考を迫る動きも出た。
一方、二つの国の選手にスポーツをする権利や機会を守る配慮は無用、と断じるにはスポーツ記者としてためらいがある。選手は生地や政治体制を選べない。
五輪は平和主義を掲げ、「あらゆる差別を否定する」理想と現実の間で葛藤してきた。思い浮かぶのは、第2次大戦後の1948年ロンドン五輪だ。
敗戦国のドイツと日本をめぐ…
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