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“WBC後遺症”に心からのエールを…担当記者コラム - スポーツ報知

 WBCの興奮が冷めない中で、プロ野球も開幕を迎えた。見る側にとってはうれしい限りだが、実際にプレーする側にとっては、そんなに簡単な話ではないだろう。源田や大勢のように開幕戦でプレーできなかった選手だけではなく、元気にプレーしている選手でも、影響が全くないということはないだろう。

 開幕2戦目の試合後、西武の山川に話を聞く機会があった。チームは開幕連敗となったが、自身は今季初安打をマーク。状態を聞かれると「まだちょっと変に冷静すぎる。落ち着きすぎて手が出なかったり。もう1コ、体ごとぶつかっていけてない」と自己分析してくれた。客観的になりすぎてうまくいかないことは、例年あることだという。それでも、あの熱狂が無関係とは思えない。

 “異変”は山川も自覚している。「開幕戦も全く緊張しなかった」。例年なら吐き気を催すほどの緊張感の中で迎える開幕とは、感覚が違った。日の丸を背負い想像を絶する重圧の中でプレーし、最高の瞬間を迎えた後、切り替え、仕切り直すにはあまりに時間が足りなかったことだろう。

 チームを離れていた時間も、影響はあったという。昨季まで各自で行っていた試合日のウォーミングアップが、今季は全体で行われるようになっていた。「僕、(変化に)敏感なんです」。ゆっくりと時間をかけてアップするタイプ。全員で集中して短時間で行うアップに対応し、ベストの状態で試合に入るにはどうするのか。本来ならそれを試すオープン戦期間がなかった。移籍した選手はもちろんだが、同じチームでも環境の変化はある。試行錯誤と手探りの中で、シーズンに突入せざるを得なかった選手は他にもきっといるだろう。

 それでも山川はスタンドを埋めたファンへの感謝を口にし、「(WBCを)絶対に言い訳にしちゃいけない」と言った。やせ我慢は侍の美学。だからこそ、“WBC後遺症”には心からのエールを。それが世界一の喜びを享受した、“ファンの矜持(きょうじ)”だと信じている。(遊軍・山口 泰史)

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