
4月から駒大の総監督となった大八木弘明氏(64)と、監督に就任したマラソン元日本記録保持者の藤田敦史氏(46)がスポーツ報知の取材に応じた。今年の箱根駅伝で優勝し、学生駅伝3冠を達成した駒大は、史上初の2年連続3冠へ新体制で挑戦する。熱い思いを持ち続け、チームの柱をつくってきた2人が、新体制となった心境や今後の飛躍について語り合った。(取材、構成=手島 莉子、榎本 友一)
今年の箱根駅伝。学生駅伝3冠を達成した直後の会見で、熱も冷めないうちに大八木氏は監督退任を発表した。
大八木氏(以下、大)「今後を維持できるチームを渡そうと準備していました。強いチームを引き継ぐプレッシャーはあるけど、楽は楽だと思う。今の駒沢は、ずっと3番以内に入れる」
藤田氏(以下、藤)「私が中から見ても周りが外から見ても、本当にすごいチーム。それを受け継ぐって大変だと思います。でも、誰かがやらなければいけないのであれば、自分がやりたいという思いでした」
2人の出会いは28年前。大八木氏がコーチに就任した95年4月に藤田氏が大学入学という運命的なものだ。
大「入学時、藤田は貧血で走れていませんでしたが、鉄の多いものを食べさせて夏すぎに上がってきた。駒沢は当時、スピードランナーがいなかったので、箱根を目指して徹底的にやるしかないっていうのが最初のイメージ。とにかく距離を踏ませました」
藤「高3の時は全然走れなくて、駒沢に獲っていただいた。大八木監督に出会って、ここまで育ててもらって、自分の中ではそこがなければ間違いなく今はない。原点です。入学前の新入生合宿の時は誰か知らなくて、この怖い人は誰なんだろうと思っていました(笑い)」
藤田氏が選手として、コーチとして接した大八木氏。その一番の魅力は「変わることを恐れない」ことだ。
藤「これだけ実績を積み重ねてきた指導者が、結果が少しでも出なくなったときに、見直してガラッと変える。この決断は、なかなかできない。ずっと常勝軍団で来た人間が目線を下げて、生徒の立場に立って考えることができる。指導者がこだわり過ぎてしまったら、今の生徒たちは余計に離れてしまいますよね」
大「コミュニケーションを取りながらやる時代だと思います。選手が自分の中でしっかり決めることが大事。責任を持たせるために、メニューをあえて2つ提示して自分で選んでもらうとか。指導方法は時代の変化とともに変わっていくものです」
今後、大八木氏は総監督に就任し、世界を目指す在学中の選手らを育成。藤田氏は監督として全体の指揮を執る。藤田氏が監督の引き継ぎを正式に知ったのは、優勝会見だったという。
藤「(レース後に)車で中継を見ながら待機していました。『もしかしてここで言うのかな』と思って見ていたら言っちゃって。部長から電話が来て『どうしましょうか』って(笑い)」
大「箱根で勝っても負けても、覚悟は決まっていた。負けたら後日言うかなと思っていましたが」
3冠を達成した史上最強の駒大。信頼する藤田氏だからこそ、大八木氏は育て上げたチームを託した。
大「選手の時は、自分の信念を貫き通さないと目標は達成できない。でも、指導者になったら人との出会いやかかわりがあって、頭も下げないといけない。藤田はそういうふうにしっかりと変わっていると思います」
藤「これだけの戦力を大八木監督が残してくださった。あとは、どうやって導いていけるか。駒大は私が卒業した翌年に箱根で初優勝したので、私自身は1回も勝てていない。だから、どこか自分にとって忘れ物をしてきた感覚があるんです。今度は、自分がこの立場で優勝することが、目標の一つです」
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