
スポーツクライミング、ボルダーのワールドカップは今シーズンの第3戦がアメリカで行われ、男子の東京オリンピック代表、楢崎智亜選手が優勝し、16歳の安楽宙斗選手が自身初の表彰台となる2位に入りました。
スポーツクライミングのボルダーは「課題」と呼ばれるコースを制限時間内にいくつ登ったかを競う種目で、ワールドカップの今シーズン第3戦は、21日、アメリカのソルトレークシティーで男子の決勝が行われました。
6人で争われた決勝に日本勢は3人が進出し、東京オリンピック代表でエースの楢崎選手は、最初の課題を1回目で登り切る「一撃」で完登すると、2つ目と3つ目の課題は2回目のトライで登り切りました。
そして、最後の4つ目の課題では、手前に大きく反ったオーバーハングと呼ばれる壁に対して、持ち味のパワーとダイナミックな動きで「一撃」で完登し、4つの課題すべてを登り切って今シーズンのワールドカップ初優勝を果たしました。
また、今シーズンからワールドカップに参戦している16歳の高校生、安楽選手も軽やかな登りで4つの課題すべてで完登し、トライした回数の差で2位となりました。
4月、東京 八王子市で行われた今シーズンのワールドカップ開幕戦で5位に入った安楽選手は3戦目で初めての表彰台に立ちました。
一方、ことし2月のボルダーのジャパンカップで2位に入った佐野大輝選手は5位でした。
優勝した楢崎智亜「世界選手権につなげたい」
また、2位に入った安楽宙斗選手は「正直、3戦目で2位までこられると思っていなかったので驚いている。着実にボルダーの力がついてきていると今大会で感じた。今回の成績だけみると智亜さんとは僅差に見えるが、やはり差を感じたし、力負けしてしまうのが改善点で今後も1戦1戦、どうやったら勝てるかを考えて集中していきたい」と話していました。
2位の安楽宙斗は16歳の高校2年生
小学2年生からクライミングを始め、現在は学校が終わったあとにトレーニングを積んでいます。
腕のリーチの長さと軽やかな登りが持ち味で、登った高さを競うリード種目を得意とし、去年8月にアメリカで行われたユースの世界選手権のリードで優勝を果たしました。
スポーツクライミングは、来年のパリオリンピックではこれまで3種目で行われていた複合が、リードとボルダーの2種目の合計で競う形式に変更されます。
安楽選手は、この2種目で競う「ボルダー&リード」の日本一を決めることし4月のジャパンカップで楢崎智亜選手などの実力者を破って優勝し、パリオリンピックの代表選考の対象となることし8月の世界選手権出場が内定しています。
パワーが求められるボルダー種目でも今シーズンから参戦するワールドカップの開幕戦でいきなり5位に入り、今回の第3戦で初の表彰台と着実に力をつけていて、各国から最大2人が出場できるパリオリンピック代表候補の1人です。
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