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スポーツクライミング世界選手権 森秋彩が銅 パリ五輪代表内定|NHKスポーツ - nhk.or.jp

スポーツクライミング世界選手権 森秋彩が銅 パリ五輪代表内定

スポーツクライミングの世界選手権は、「ボルダー&リード」の女子決勝が行われ、19歳の大学生、森秋彩選手が銅メダルを獲得し、来年のパリオリンピック代表に内定しました。

スイスで行われているスポーツクライミングの世界選手権は11日、オリンピック代表選考がかかる▼「課題」と呼ばれるコースを制限時間内にいくつ登ったかを競う「ボルダー」と▼1回のトライで壁を登り、制限時間内に登った高さを競う「リード」の2種目の合計点で争う、「ボルダー&リード」の女子決勝が行われました。

8人による決勝に日本勢は▼今大会のリード種目で金メダルを獲得した森選手と、▼東京オリンピック銀メダリストの野中生萌選手の2人が進出しました。

このうち森選手は、前半のボルダーで4つの課題のうち2つ目の課題を完登しました。しかし、最後まで登り切れたのはこの課題だけで、44.5で6位にとどまりました。

後半、得意のリードでは持ち味の持久力と指の力を生かしてテンポよく高度を上げ、最後のホールドまであと少しのところで惜しくも落下し、完登は逃したものの8人の中で最も高くまで登り、合計140.6をマークして銅メダルを獲得しました。

この結果、森選手は3位以内に与えられるオリンピック出場権を獲得し、来年のパリオリンピック代表に内定しました。

一方、野中選手は得意のボルダーで4つ目の課題をただ1人完登するなど5位につけましたが、リードでは高度を上げられず、合計93.5で7位でした。

金メダルは、東京オリンピックでも金メダルを獲得したスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手で合計177点と圧倒的な力を見せました。


森秋彩選手「うれしい もっと強くなりたい」

スポーツクライミングの世界選手権、「ボルダー&リード」で銅メダルを獲得した森秋彩選手はパリオリンピックの代表に内定したことについて「まだ実感がわいていないが、東京オリンピックを見て、すごいかっこいい舞台だと思っていたので、その舞台に立てることが決まってうれしいし、今よりもっと強くなりたい」と喜びを語りました。

ボルダーの6位から得意のリードで一気に巻き返した決勝については「リードで上の方にいかないといけないと、点数的に無理だと思っていたが得意とする課題だったので運がよかった。うまくメンタルも切り替えられた」と振り返りました。

そのうえで「ハードなラウンドで、リードで完登したかったので悔しいが、表彰台に乗れてうれしい」と笑顔を見せていました。


茨城出身19歳 筑波大2年生

森秋彩選手は茨城県出身の19歳で筑波大学の2年生です。

小学1年生の時からスポーツクライミングを始め、柔軟性や指の力の強さが持ち味で、特に登った高さを競うリード種目を得意としています。

2019年からワールドカップに参戦し表彰台に立つなど活躍してきましたが、その後は大学進学に向けた学業を優先させるため、国際大会には出場しませんでした。

そして去年、3年ぶりにワールドカップに出場すると、いきなりリードのワールドカップで、東京オリンピック金メダリストのスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手を破って2連勝したほか、「ボルダー&リード」の2種目で実施された初めてのワールドカップでも優勝を果たしました。

ことしに入っても勢いは止まらず「ボルダー&リード」の日本一を決めるジャパンカップを制したほか、今回の世界選手権でもボルダーでは決勝に残って6位、リードではこの種目で男女通じて日本勢初の金メダルを獲得しました。

東京オリンピックでは、代表選考の過程で国際競技団体の判断で出場権が与えられず、出場がかないませんでしたが、得意のリードでの登りを生かしてパリオリンピックではメダル獲得が期待されています。


リードで圧倒的強さ ボルダー強化が課題

今大会では得意種目のリードでの圧倒的な強さが際立った一方で、来年のオリンピックに向けてはパワーが要求されるボルダーの強化という課題も明確になりました。

身長1メートル54センチの森選手は、持久力や柔軟性を持ち味とする一方で、腕の力が求められる課題や、ホールドの距離がありジャンプが必要な課題などを苦手としています。

今回、ボルダー&リードの決勝でも、前半のボルダーでは、4つの課題のうち、完登できたのは傾斜が緩やかだった2つ目の課題のみで、残りのパワー系の課題では得点を伸ばせず、順位も6位と出遅れました。

それでも「悔しさを引きずったら影響するので、楽しむ思いを持って」と気持ちを切り替え、後半のリードに臨みました。

パリオリンピックの出場権を獲得できる3位以内に入るには、リードで100点中「93.3」以上の高得点が必要で、完登目前まで登ることが求められる状況でした。

そんなプレッシャーの中でも、指の力を生かしたテンポのいい登りで、決勝の8人の中で誰よりも高くまで登って巻き返し大舞台でメンタルの強さを見せつけました。

その一方で、金メダルを獲得した「女王」、スロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手には36点以上の大差をつけられ、2種目の総合力の差を見せつけられました。

リードで圧倒的な実力を持つ森選手の課題は明確で、「ボルダーは世界選手権全体で苦手な課題が多かった。強化して、ガンブレット選手みたいにオールマイティーな選手になりたい」とボルダーの強化に向けた決意を語りました。

「もっと強くなりたい」と常に課題を口にして、世界トップレベルまで登りつめた森選手。

来年のパリオリンピックまでにどこまでボルダーを強化できるかが、さらなる進化につながります。


野中生萌選手「目標に向かってやるだけ」

スポーツクライミングの世界選手権、「ボルダー&リード」で7位だった野中生萌選手は「何が足りないかが明確だし、伸びてきていることも明確なので、やるべきことはわかっている。それをひたすら目標に向かってやるだけだと思う」と前を向きました。

決勝では、ボルダーの4つ目の課題でただ1人完登するなど力も見せ、「悪い流れの中での完登だったしほかに誰も登れなかったので、価値のある1本だった。諦めずにできることを、コツコツとやっていきたい」と話していました。


スポーツクライミング パリ五輪 2種目に分け実施へ

スポーツクライミングは、東京オリンピックでは、3種目による「複合」として実施されましたが、パリ大会では「ボルダー&リード」と「スピード」の2つの種目に分けて行われます。

スポーツクライミングは3種目の複合として実施された東京大会ではそれぞれの種目の順位をかけ合わせて、その数字が最も少ない選手が上位となる形式で行われました。

パリ大会ではこれを見直して、いわゆる“複合”種目となる「ボルダー&リード」では、ボルダーとリードの各種目に最高で100点が与えられ、その合計得点で順位が決まる方式となります。

このうち、4つの課題が設けられるボルダーでは、コースの途中にある「ゾーン」と呼ばれるポイントに到達すると得点が得られ、1つの課題を最後まで登り切ると25点が与えられます。

また、1回のトライで壁を登った高さを競うリードは、頂上まで登る1手ごとに得点が加算されていく形式で完登すると100点となります。

選手たちには、パワーが求められるボルダーと、持久力が求められるリードの2種目を高いレベルでこなす技術と体力が要求されます。

一方の「スピード」は、世界共通のルートが設定された高さ15メートルの壁を登るタイムを競う種目で、パリオリンピックでは単独の種目で行われることから、とにかく登る速さを極めてきた選手たちの争いとなります。

決勝ラウンドはトーナメント方式で行われ、フライングや落下ですぐに敗退となることから、選手には、陸上の短距離走のような瞬発力と反応速度に加え、ミスができないという緊張感も見どころのひとつです。


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