◇米国女子メジャー◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前(7日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇6577yd(パー70)
「メチャクチャ難しい。1ラウンドじゃ、足らんです」。開幕前日に早朝から練習ラウンドを行った渋野日向子は、ハーフターンを前にそんな言葉をつぶやいた。
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前週は4日間大会を戦い抜き、5日(月)は別コースでプロアマ戦に参加した。そして連日のコースチェック。今大会の決勝ラウンドを含めれば、11日連続で18ホールをプレーすることになる。それでも元気いっぱいの21歳。パッティンググリーンで“ノルマ”をクリアした後、「先週、あまりにもポンコツだったから」と苦笑するロングパットの距離感をつかむ反復作業。トータルで1時間を優に超えた。
「アメリカに来て一番難しい。比べものにならない難しさというのは、きのうのスタートホールからわかった」という難コース。前日はインコースから18ホールを回り、「10番からセカンドを5Wで打ちました」。ピン位置、風向き次第ではミドルホールの2打目で200ydほど残ることもある。
前週苦戦したポアナ芝に比べれば、グリーンのベント芝は好印象。ただし、グリーン自体が大きく、アンジュレーション(起伏)もきついため、ロングパットの距離感をつかめるかどうかをポイントに挙げる。「バーディを数多く獲れるコースじゃない。耐える戦いになると思います」と言った。
昨年8月の「AIG(全英)女子オープン」は通算18アンダーで優勝。同9月「デサントレディース東海クラシック」では、最終日「64」で8打差をひっくり返した。異次元の爆発力でファンを魅了してきた渋野にとって、「耐える戦い」にこそ、さらなる成長のヒントがあるという。
「去年からの自分で言うと、耐えるゴルフであまりいい成績を出した記憶がない。耐えるゴルフは好きじゃないんですけど、これから先、絶対必要になってくる。これまでのゴルフ人生で習ってきたすべてを、この4日間で出しきれたら」
2カ月に及ぶ長期海外転戦を締めくくる6試合目。「来てみたら、(メジャーは)やっぱりちょっと違って、コースですごく気を引き締めさせられた。これまでの5試合では使わなかったような頭の使い方だったり、ショットだったりも必要になってくるんじゃないかと思う。“集大成”とは言ってますけど、(新たに)見つけるものの方が多いんじゃないかと思います」。メジャー覇者とはいえ、まだメジャーはキャリア通算4試合目。大舞台は未知の刺激にあふれている。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/亀山泰宏)
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