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パラスポーツ報道の現場で活躍するレッツノート - Nikkei Business Publications

NHKのアナウンサー時代から10年以上、精力的にパラスポーツ取材を続ける久下真以子氏。現在はフリーアナウンサーの仕事とともに、Webメディア「パラフォト」の記者としても活動。2021年 東京パラリンピック、2022年 北京パラリンピックをはじめ幅広い取材を行っている。正確性とスピードが求められる報道の現場において、レッツノートを活用する理由を久下氏にインタビューした。

このページのトピック

自分の可能性を信じ続けるパラアスリートの姿勢に衝撃を受けた

パラスポーツ報道に関わるようになったきっかけを教えてください

久下 2011年、NHK高知放送局で契約アナウンサーとして働いていた時に初めてパラスポーツを取材しました。様々なプロスポーツなども取材する中でパラスポーツに興味を持ったのは、何かしらの制限を乗り越え、自分の可能性を信じて突き進むパラアスリートたちの姿勢に衝撃を受けたからです。

 特に印象に残っているのが、現在車いすラグビー日本代表のキャプテンを務める池透暢選手との出会いでした。「右手だけしか使えないからあきらめるのではなく、右手だけでもやる。今の環境を言い訳にしない」「できないじゃなくて、どうやったらできるかを考え続ける」「ひとつずつ目の前のことをクリアしていった先に、パラリンピックがある」そうした一つひとつの言葉が胸に刺さって、私自身も前向きになることができたのです。

 20代だった当時、アナウンサーとしての進路を模索していたこともあり、そうしたパラアスリートの言葉や生き様を伝えることで、私がそうであったように、観た人が勇気づけられたり、何かに挑戦するきっかけをつくることができるのでないかと感じました。

久下真以子(くげ・まいこ)

大阪府出身。フリーアナウンサー、フォトジャーナリスト、スポーツライター。四国放送アナウンサー、NHK高知・札幌キャスターを経てフリーアナウンサーへ。2011年に番組でパラスポーツを取材したことがきっかけで、パラ取材を志すように。目標は「日本一パラを語れるアナウンサーになること」。 現在はパラスポーツのほか、野球やサッカーのリポートなどスポーツを中心に活動中。

「できないことで悩むよりも、できることにフォーカスしていく」というメッセージは、多くの人の心に響くものですね。

久下 私事ではありますが、昨年車いすラグビーの日本代表副主将でもある羽賀理之と結婚しました。実は結婚前、右の卵巣に良性ではない腫瘍が見つかって、「結婚したらこどもを産みたいし、どうしたらいいのだろう」と卵巣摘出手術に抵抗があって悩んでいると、当時は恋人だった夫が「よくなるためのステップなんでしょ」と、励ましてくれて。手術を受ける決意をすることができました。

 夫自身も18歳の時に交通事故で首の骨を折って、現在は車いすに乗っていますが「起きたことを嘆いていても仕方ない。今のベストを生きるだけだよ」と笑っていて。一度、死の淵を経験している人の強さを感じた出来事でした。

現場に行くことで初めて見えてくるものがある

パラスポーツ取材で心がけていることはありますか?

久下 できるだけ現場に行くことを大切にしています。パラスポーツ取材を本格的にスタートしてからは東京2020パラリンピックの報道に関わることが一つの目標でしたので、「開催前にもっとパラスポーツを観て、誰よりも語れるようになりたい」と思い、自費で『インドネシア2018 アジアパラ競技大会』の取材に行きました。

 現地に行ってライブで大会を見ることは大きな経験になりましたし、出場する日本人選手たちからは「久下さん、ジャカルタまで取材に来てくれたんだ!」と喜んでいただけたりもして。そうした交流や関係性があるからこそ、聞くことができる深いエピソードがあるのだと実感しました。

その行動力はどこから生まれるのでしょう?

久下 やはり、その場に行かなければ観られない瞬間があることは大きなモチベーションとなっています。取材で大切にしているのは試合だけではなく、試合前の時間や練習風景なども可能な限り見ることです。休憩中のちょっとした雑談から面白いネタをいただいたり、プライベートなことを教えていただけたりもして。試合という点だけではなく、パラアスリートの日常風景も含めた人生を線で記録し、伝えていきたいという想いがあります。

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