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福井の障害者スポーツ もっと知って応援しよう - 福井新聞

2022年10月22日 午前7時30分

 【論説】熱い戦いが繰り広げられた国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」が11日に幕を閉じた。そして、もう一つの国体といわれる全国障害者スポーツ大会(障スポ)「いちご一会とちぎ大会」が29日に始まる。障害の特性に応じたスポーツに挑む選手が成果を試す舞台で、国民の障害に対する理解を深めることも大きな目的。ただ国体に比べ注目度は低く、盛り上がりも一過性なのが関係者の悩みだ。2018年に障スポを行った福井も状況は変わらない。4年ぶり開催となる栃木大会で、再び福井県民の関心は高まるだろうか。

 障スポは、1964年の東京パラリンピックを契機に始まった全国身体障害者スポーツ大会と、92年設立の全国知的障害者スポーツ大会を統合した大会。3日間で団体、個人競技が行われる。第1回は2001年の宮城大会。19年は台風、20、21年は新型コロナウイルスの影響で行われず、今回の栃木大会は「福井しあわせ元気大会」以来となる。

 20年東京パラを機に障害者スポーツはテレビやネット、新聞でよく取り上げられるようになった。施設、環境整備も全国で進んだ。とはいえ、プロ野球やJリーグのように常に試合があるわけでなく、比べれば障害者スポーツ競技に触れる機会は少ない。身近に取り組む人がいないと認知度はさらに低い。選手、支援者の数が思うように増えないとの声は、さまざまなシンポジウムで上がっている。

 福井では18年障スポを機に施設のバリアフリー整備が進み、4年たった今も維持されている。県内の特別支援学校ごとに団体種目を割り当て、強化を進める体制も整えられた。障害者のスポーツ振興、社会参加を図るしあわせ福井スポーツ協会は多様な活動を行い、公式ホームページでは選手や支援者のエッセーをはじめ情報発信にも取り組む。一方で大会後に期待されたすそ野拡大には至らず、選手、指導者、スタッフとも足りないのが現状だ。

 福井県にはアテネパラ車いす陸上3冠の高田稔浩選手や東京パラ女子マラソン(視覚障害)8位の西島美保子選手、車いすバスケットボールU23日本代表の一員として世界選手権を制した古崎倫太朗選手ら、世界に名をはせる選手がいる。障害者スポーツに対する認知度はそう低くないはず。もう一歩踏み込んで関心を高め、支援、応援に取り組みたいところだ。

 栃木大会に出場する福井県勢は35人。福井大会で優勝し、2大会連続での頂点を狙う選手も少なくない。今年6月のパラ陸上日本選手権の男子100メートル(視覚障害T13)で、日本記録を上回る記録で制した川上秀太選手も参戦する。福井から声援を届けよう。

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