
世界のファンに愛されるアルゼンチンのメッシが優勝杯を掲げて伝説となり、あふれる才能を開花させたフランスのエムバペが得点王となった。ワールドカップ(W杯)カタール大会は劇的な結末で幕を閉じた。
その両軍の10番は所属クラブで胸に「QATAR」と大書されたユニホームで共に戦う。そこにはクラブで10番をつけるブラジルの至宝ネイマールがおり、大会のアフリカ旋風を象徴したモロッコのスピードスター、ハキミもいる。
彼らが顔をそろえるフランスの強豪クラブ、パリ・サンジェルマンの会長はカタール人で、メインスポンサーはカタール航空だ。超豪華布陣を支えているのはカタールの国ぐるみの資金力である。
カタールは今大会でW杯史上初めて、1次リーグ全敗で敗退した開催国となった。出場経験すらないカタールをサッカー界が開催国に選んだのも、原油を原資とする豊富な財力への期待が大きい。
大会は強国ドイツ、スペインを撃破した日本代表の活躍もあり、大いに盛り上がった。半面、大会中も招致に関する汚職の捜査が欧州で進められ、会場建設における外国人労働者の過酷な環境や、性的少数者をめぐる人権問題が批判の的となった。国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター前会長は大会直前に「カタール開催は間違いだった」と語った。
忘れてはならないのは、2010年に22年大会の開催地がカタールに決定した際、日本はその対抗馬だったことだ。スポーツや歴史に「たられば」はないが、カタール開催が誤りなら日本開催の可能性もあった。果たして東京五輪汚職や談合に揺れる今の日本で、それが可能だったか。通常通り6~7月の開催だったとして、広告代理店任せの運営から脱却できていたか。甚だ疑問である。
カタール大会は2つの教訓を残した。1つは優れた競技は必ず広く世界の感動と興奮を呼ぶ事実であり、1つはどれだけ素晴らしい大会であっても招致や準備、運営に不正、不備、不都合があれば決して許されないということだ。
国際競技大会の開催にひるむ必要はない。ただしそれは、正しく行われなくてはならない。
カタール大会を大きな転換点として、札幌冬季五輪招致やW杯の単独開催を目指す日本の関係者は胸に深く銘記してほしい。
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