ジャニーズ事務所は7日、ジャニー喜多川氏(19年に死去)による性加害問題をめぐり都内で会見を開いた。東山紀之(56)井ノ原快彦(47)藤島ジュリー景子氏(57)らが出席した。その中で、東山の新社長就任を正式に発表した。

これを受け日刊スポーツは、編集部門であるコンテンツ本部の本部長コメントを示します。

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マスメディアが性加害問題を取り上げてこなかったことで事務所は隠蔽(いんぺい)体質を強め、被害が拡大した-。先月29日、ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」はそのように指摘しました。いわゆる「マスメディアの沈黙」は、同事務所に所属するタレントの活動を報道している私たちに突きつけられた問題として、重く受け止めています。

今年3月、英BBCはジャニー喜多川氏の性加害疑惑を取り上げる番組を放送しました。以降、元所属タレントらの告発が相次ぎましたが、それらを掘り下げる報道はしませんでした。亡くなった喜多川氏に直接取材できないことや、刑事事件や民事訴訟になっていない問題は慎重に扱うべきではないのかなど、社内での議論を踏まえました。

結果として問題に敏感に反応できず、性加害などの人権問題はあってはならないという姿勢を、報道を通じて打ち出してきませんでした。そういったことが「沈黙」と受け止められたことを自覚し、遅ればせながら襟を正す機会と捉えています。

私たちは日頃、音楽や舞台、映画やテレビ、お笑いなど芸能ジャンルの話題を幅広く取り上げています。ジャニーズ事務所には大勢の人を引きつけるタレントが在籍しており、その活動を積極的に報じてきました。今後は同事務所がどのように出直しを図っていくのかについても注視していきます。

メディアの責任として、記者会見で東山紀之新社長が繰り返した「対話」のスタンスを忘れることなく、丁寧な取材や報道を心がけていきたいと考えています。【コンテンツ本部長・桐越聡】