聞き手・富田洸平
同じスポーツ選手でも、男性と女性ではプレー環境や待遇面に多くの場合、差があります。中京大教授の來田享子さんは、その背景に、スポーツが「男性の教育の場」として発展してきたことがあると指摘します。
「女性はやらない方がいいもの」だった
いま世界に広まっているスポーツの多くは、18世紀から20世紀初頭にかけて欧米で発展しました。スポーツは当時、社会の中心的な担い手である男性の教育の場として位置づけられていました。男性には、体力とともに「勇気」「判断力」「リーダーシップ」「協調」といった価値が求められ、それを養うため社会はスポーツを推奨しました。
一方、女性には推奨する力は働きませんでした。家庭の中で男性を支えるのが女性の役割であり、振る舞いに「女性らしさ」も求められていたからです。そこから逸脱するスポーツは、むしろ、やらない方がいいものだったのです。
ですから、スポーツに女性が…
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