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【番記者の視点】ブレずにはい上がれ、フロンターレ - スポーツ報知

 【川崎担当・田中孝憲】フロンターレが苦しんでいる。首位町田に0―1。特に前半は相手のロングボールを警戒するあまり、“らしくない”小さなミスが散見された。相手を圧倒する強い川崎を知るサポーターには、プライドを傷付けられる敗戦のはず。1位との勝ち点差9の15位からの巻き返しへ、今は耐え時に映った。

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 前半はシュート3本に抑えられた。ボックスまでたどり着くシーンも少なく、攻撃に迫力を欠いた。指揮官は「最初に1個、2個ミスが出て相手にビッグチャンスがいったというのもありますけれども、やっぱりそこは技術とメンタルのところ、その両方だと思っています」と指摘。いい守備からいい攻撃の鉄則を実行できない。「(敗れた)鹿島戦では、にらまれただけで相手にボールを渡していた。自分の中でもワーストゲームでしたけども、今日の前半はそれに近い形だった」と悔やんだ。

 なぜ相手の土俵に乗ってしまったのか。背景には相手のロングボールを警戒しすぎた面がある。MF脇坂泰斗は「向こうのストロングであるロングボールに対して、ちょっとラインが低くなって間延びしてしまった」と反省。スペースが空くことで距離感を保てず。パスもボール1個分ずれるなど、高い精度のつなぎで相手をいなせない。そしてパスをカットされカウンターを浴びる悪循環。FC東京戦のように自信を持ってプレーできれば、流れは変わったのかもしれない。

 町田から苦しむ川崎がどう見えていたのか。決勝点の起点となった左サイドバックのDF林幸多郎は「フロンターレの選手よりも切り替えを早くした」と意識していたという。そして「相手の角を取りに行くことで、ロングスローやコーナーが増えていく。そうなると自分たちの時間になっていく」と強みを認識してプレーした。失点シーンはまさに右サイド(町田の左サイド)の深い位置への突破を許したことから生まれた。

 後半には前への推進力が生まれた。指揮官は相手のストロングを「全く気にしないで普通にやりなさい」と選手を送り出した。残り20分ほどは相手が10人となったが、割り切ってブロックを固めて耐える町田を崩しきれず。

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 良薬は勝利での自信だが、川崎の次節は開幕7戦無敗の好調C大阪。しかもセンターバックの台所事情は厳しい。DFジェジエウが前半途中に脚に違和感を訴え交代。この日、ベンチ入りしなかったDF丸山祐市は万全ではない模様。さらにDF高井幸大はU―23日本代表に招集され、最長で約1か月はチームを離れ、状況は苦しい。

 鬼木監督は「(後半は)思い切ってしっかりつなぐべきところは、つないだと思う。それを常にやらせてあげられる環境を作らなきゃいけないですし、もしくは個人個人が本気でそれをやれる強い気持ちと技術をつけていかなきゃいけない。少し時間はかかるかもしれないですけども、それをやらないと自分たちは成長していかない」と力を込めた。

 質は一朝一夕で作るものではなく、毎日の積み重ね。強いフロンターレを取り戻すために、ぶれずに耐える時だ。フィジカル全面の潮流とは違うフットボールを楽しさを、川崎には追求していってもらいたい。

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