子どもがスポーツをするときに大切なことは。見守る親の役割とは。幼少期からスキーに没頭した、北京冬季五輪フリースタイルスキー男子モーグル銅メダリストの堀島行真(トヨタ自動車)に聞いた。(森合正範)
ほりしま・いくま 1歳半からスキー板に乗り、5歳の頃にはコブのある斜面を滑った。フリースタイルスキー男子モーグルのワールドカップ(W杯)で日本歴代最多の通算11勝。岐阜第一高、中京大出。24歳。岐阜県出身。
—子どもたちがスポーツをする上で大切なことは。
「順序を追って練習することです。スポーツには階段のようなステップがいくつもあります。それを理解した上で、次はこれだなとやっていく。スキーならまずは道具をそろえる。次にスキー場に行く。その一歩一歩を大事にする。小さなことでも、何かをできるようになるって、とても楽しいと思うんですよ」
—楽しむためにも「一歩ずつ」が重要だ、と。
「スキー場に行けた、というだけで満足できる心を持つことも大事だし、2本滑れた、じゃあ明日は3本。『ハ』の字の滑りから、少し足を閉じられるようになったとか。スポーツに限らず、成長は楽しいし、自信が芽生えます」
—幼少期から道具を大切にしていたと聞きました。
「スキー板は高価です。小さい頃は3、4シーズン使わなきゃいけないとなると、1シーズンで傷だらけにしたくないし、板はさびる。だから、雑巾できれいに水を拭き取って、乾かす。部屋に持っていって乾燥させる。大したことではないですが、それをやるか、やらないか」
—新しい技や新たなことに挑戦するとき、どんな気持ちで一歩を踏み出しますか。
「一歩を踏み出すのは難しいですよね。なので最初に話したような、小さなステップでも自分を褒めること。スキー場に行けたくらいで自分を褒めるって、なんか恥ずかしい。でも、それが大事。小さなステップを踏めたら『よくやったな』と自分にご褒美の言葉をあげています。挑戦はその積み重ねですね」
—自分自身に声を掛けることは多いですか。
「はい。言葉を掛けることによって、その思考になります。例えば、休んでいる時、無駄な時間と思わずに、『休むのが大事』と言い聞かせると、心から休めるんです」
—上達するコツは。
「もちろん一歩一歩、楽しくが一番なんですが、スポーツにはいろんな動きがあります。歩く姿勢、立つ姿勢、座る姿勢といった、普段から姿勢を意識すると上達につながるのではないでしょうか」
—見守っている家族にアドバイスは。
「先ほどの続きですが、子どもの頃って、自分を褒めることはなかなかできない。でも、親が子どもを褒めることはできますよね。そこに行けただけでも褒める、一歩一歩を褒めて、励ましてあげる。ステップを踏めたこと、成長していることを子どもにきちんと感じさせることが大事。でも、褒めるにしても、ポイントがあるんです」
—そのポイントとは。
「小さなステップや過程を褒めることで、子どもは『結果だけじゃないんだな』と思える。成績しか褒められなくなると、子どもは結果主義、成績主義になっちゃいます。楽しめたことを褒める、他人と比べず、成長を褒める。成績以外のことで褒められればいいなと思います」
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