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コロナ禍でも無双状態 快進撃のeスポーツ市場 - ITmedia NEWS

産経新聞

 コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」。新型コロナウイルス禍にあってオンラインを強みに、急速な人気の広がりを見せる。eスポーツに特化した学部を設置する大学やホテルも登場。五輪で正式種目に採用される可能性もあり、ゆくゆくは「ゲームで金メダル」も夢ではない。

photo ゲーム用のPCで大会に参加する選手=8月10日、大阪市北区(土屋宏剛撮影)

Z世代に訴求力

 少年、少女らがゲーム用のPC画面を前に、マウスを巧みに操作する。表情は真剣そのもの。プレーがうまく決まると、いすに座ったまま小さくガッツポーズした。

 大阪市北区の「大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校」で8月に開かれたeスポーツ大会での様子だ。種目は世界大会でもプレーされている人気ゲーム「フォートナイト」。13〜18歳の約30組60人が参加した。

 ただ、実際に専門学校に集まってプレーしたのは10人ほどで、他は自宅から“参戦”した。大阪府内では当時、1日当たり2万人を超える感染者が確認されていたが、大会を主催した同市北区役所の担当者は「オンラインなら感染リスクを心配せず楽しんでもらえる」と話す。

 非対面でも対戦型のイベントを開催できるメリットはコロナ禍でこそ力を発揮したといっていい。全国高校対抗eスポーツ大会(通称「STAGE:0」)は予選をオンライン形式で実施し、2021年は全国2145校から過去最多の計5919人が参加。試合の様子は映像を配信し、観客も動員した。

 とりわけ「Z世代」と呼ばれる若年層に訴求力が高いeスポーツだが、「ゲームは遊び」というイメージはもはや過去のものだ。

拡大する市場規模

 近畿大(本部・大阪府東大阪市)は22年春、情報学部を新設し、ITエンジニアの育成やeスポーツ分野で活躍する人材輩出を目標に掲げる。

 5月には、学部棟にeスポーツ専用のPCや映像配信機器を備えた「esports Arena」を開設。施設は7月にステージゼロ関西ブロックの予選会場として早速活用された。

 高速・大容量通信規格の5Gの拡大もあり、需要は高まるばかり。eスポーツの振興を図る「日本eスポーツ連合」が21年4月に発表した市場規模(推計値)によると、22年は127億円だが、商機と捉えた企業の参入が増え、23年は155億円、24年には184億円に達すると見込む。

 コロナ禍で打撃を受けた観光産業もeスポーツの将来性に着目している。

 20年8月には、大阪市浪速区に国内初のeスポーツ特化型ホテル「e-ZONe〜電脳空間〜」がオープン。ホテル内には70台以上のeスポーツ専用PCや配信機器を用意されており、運営会社は大阪を拠点に活動するeスポーツ選手や中高生らの練習や合宿所としての需要を想定する。

photo 国内初のeスポーツ特化型ホテル「e-ZONe〜電脳空間〜」(運営会社提供)

 担当者は「旅行客需要が激減しても非対面・非接触のeスポーツ需要は変わらない。コロナが収束すれば利用者はさらに増えるとみている」と期待を寄せる。

焦点は2028ロス五輪

 業界として目指すべき高みは五輪の正式種目化だ。

 「五輪プログラムへの追加を検討する」──。国際オリンピック委員会(IOC)は5月、五輪の正式種目化へ可能性を示唆した。

 ただ、ネックになるのは主にゲームの内容についてで、暴力的な描写が含まれるものは平和の祭典にふさわしくないとされる。23年9月に中国で開かれる「第19回アジア競技大会」では正式種目に選ばれたが、24年開催予定のパリ五輪では採用が見送られた。28年のロサンゼルス五輪で採用されるかが焦点になりそうだ。

 同連合広報担当の戸部浩史さん(48)は「一般スポーツと同様、真剣勝負ができる競技の一つ。裾野を広げ、五輪という夢舞台までたどりつければ」と語る。(土屋宏剛)

■eスポーツ エレクトロニック・スポーツの略。パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機を使い、格闘技やスポーツ、パズルなどのゲームでチームワークや技術力を競う。企業とスポンサー契約を結ぶプロ選手も多数存在し、国内では数千万円の賞金が出る大会も開催されている。22年8月時点で日本eスポーツ連合のプロライセンス保有者は287人。

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