
「一つになる」。団体競技を取材しているとよく耳にする言葉だが、実際にそうなっているチームはそう多くない。監督と選手の話していることが全然違っていたり、フロントと現場の目標設定が大きくずれていたりするケースを、何度も見てきた。全員が同じ方向を向いて戦うのは想像以上に難しいことだと思う。
今季、4年ぶりに支局のサッカー担当に復帰し、可能性を感じるチームに出会った。J3から昇格し、クラブ史上初のJ2に挑む藤枝だ。J3に初参戦したのが2014年。“老舗”の清水、磐田と比べれば規模も小さく、まだまだ若いチームだがフロント、首脳陣、選手、誰に話を聞いても「前線からプレスしまくって多少点を取られても攻め勝つ」というスタイルからブレることがない。
これは徳田航介社長ら、フロントの方針に鍵がある。監督選びも選手選びも、全ては「自分たちのスタイルに合うか」が出発点。候補者と面談する中で理念が合致したのが須藤大輔監督であり、選手にしてもハイプレスに耐えられる走力などを評価して獲得する。実は今オフ、J通算で100得点以上の実績を残す選手獲りの噂を耳にしたことがあった。クラブ側にそれとなく当てたところ「いい選手ですがチームのために走れますか?そうでなければ、うちが動くことはありません」ときっぱり否定された。
これまで他クラブでは、実質的編成権を監督に与え、スタッフも選手も“お友達”で固めて失敗した例や、親会社のトップからの横やりで方針が定まらず迷走した例を見聞きしてきた。藤枝には、迷った時に立ち戻れる明確なビジョンがある。須藤監督も「J1、J2を見据えて通用するサッカーを構築してきた」と自信を見せる。J2元年、どんな進撃を見せてくれるか楽しみだ。(静岡支局・武藤 瑞基)
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